2000年2月25日公開/2001年7月25日加筆・訂正
前回に続きまたワーホリさんの悪口。
ワーホリの主な目的として「英語を話せるようになる」ってのを挙げる人は多い。
制度自体、現地での言語研修を認めているし(最長3ヵ月くらいだったか)、実際、まずは語学学校に通うところから現地生活を始める、というのが定石となっている。
でも現実には、3ヵ月くらい学校に通ったところで大して話せるようにはならないようだ。実際、語学学校でめざましい進歩をとげた、なんて人に会ったことが無い。
なんにつけ兎角ガッコつながりの仲間(当然日本人)同士でつるみがち。それで結構時間も潰せちゃって、結構楽しくって、思い出になるようなイベントもそれなりにあって、と。でも英語は日本で夢見たほど話せるようにはならなかった、と。これがとってもありがちなパターン。
無理も無いことなのだ。英語を話せない人間がイキナリ濃い英語環境に飛び込むんだから、どうしたってしんどい。生活環境そのものの変化もあいまって、すごくストレスが溜まる。
言語に限らず何かを習得する時に、ほどよい負荷(ストレス)をかけつつ訓練/学習するのは確かに効率の良い方法だ。英会話教室などで「授業中は英語しか使っちゃいけません」なんてやるのも、この方法論に根ざしている。しかし、これもストレス過剰だと却って習得効率を下げてしまうのだ。
それに過剰なストレスは最終的には健康を害し、生命にとっての危険にすらなり得る。だから意識するとしないとに関わらず、生命維持のためにストレスの要因を避けるように行動するのは生き物として当然なのだ。
従ってこうした状況下では、言葉が通じる者同士でつるみたくなる方がむしろ自然。
しかも近年、海外に出る日本人はどんどん増えているわけだから、よく言われるように「どこに行っても日本人が多い」という状況はもはや避け難い。
「語学学校行っても、つい日本人同士つるんじゃって結局あんまり(英語を)話せるようにならない」という実状には、こうした背景がある。
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ワーホリなり語学留学なりで、本気で「英語を話せるようになりたい」という人には、出発までに日本で出来るだけたくさん勉強しておくことをお勧めする。日本での事前学習の多寡が、現地での学習による効果を大きく左右するからだ。
それに一口に「英語」と言っても、人それぞれレベルも違えば関心のある分野も違う。幸い今日の日本では、個人レベルの相当細かいニーズにも応えられるようなさまざまな英語学習サービスが利用できる。これを利用しない手はない。
また、日本にいる分には先に述べたような「過剰なストレス」と無縁だ。ストレスに阻害されず、それでいて「行く気マンマン」のこの状態は英語習得にまたとない好機だ。
「でも日本だとついサボっちゃうし、とにかく海外に行っちゃえば必要に迫られて一生懸命やるでしょ?」といった、大胆且つ楽観的な意見を聞くこともあるが、大概は先に述べたように、結局ストレス負けして楽な方に流れるのがオチ。(大体、「一生懸命」になるのに海外も日本もあるものか)
学習効果の現れ方は人によって違うので、日本での事前学習でどこまで英語力が向上するかにも当然個人差は出る。
出発までに思うように学習効果が上がらない場合、欲求不満や不安になったりと一見逆効果だが、現地で学校に通い始めれば「頑張った甲斐があった」とすぐに実感出来る。少なくとも「ゼロスタート」よりはずっとマシ。
例えば、現地生活をホームステイでスタートする人なら、簡単な日常会話の表現をほんのいくつか覚えていくだけでも相当違う。
日本で今の仕事をしながら勉強、とかだと時間はかかるかもしれない。一旦「勉強グセ」がつくとそうでもないけど、最初はメンド臭いし…
だが、どのみち時間も手間もかかるものなのだ。カンタンお手軽に身につく外国語なんてものが、そもそも存在しないのだから。